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✴︎HUNTER×HUNTER短編集

第52章 クラピカ《5》




あぁ、美しい


「ボーッとしてるがどうかしたのか?」

『ううん、何にもないよ』


茶色に近い瞳が隣を走る私を見つめる

あぁ、美しい


「そうか。だが、あまりよそ見をしないほうがいい前とはぐれてしまうのだよ」

『うん、わかった』


正面を向く彼の顔と共に瞳は私を写さなくなる

その眼はどれほど濃い緋になるのだろうか

想像しただけで身体中に甘い痺れがよぎる


「っ。頼むから私を見ないでくれ。心臓が爆発しそうになる」

『あ、ごめん。』


頬を薄く赤に染めうつむく彼。

今ここで死なれては緋い目を見ることができなくなってしまう

それだけはどうしても避けたい


「いや、謝らなくていいのだが。。」

『あぁ、そうだったんだ。』


あ、そういえば


『ヒメウツギってしってる?』

「花だろ?」

『うん。私好きなんだ』

「………そうか。」


何かを考え込むように顎に手を当てたクラピカの眼を眺める

クルタ族の瞳

世界七大美色のうちの一つ”緋の眼”

この世で一番美しい”眼”


「………今、レオリオの声が聞こえなかったか?」

『そう?私は聞こえなかったよ?』


微かに上がる口角を隠すように袖を持ち上げる

背後から寄ってくる大きな音など耳に入らない

頭の中には緋に染まった彼の眼

4年前は失敗したが今度こそ………


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私の持つ”秘密”に早く気づきなよ

ヒメウツギの花は君へのヒント


H27.4.21





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