第47章 クロロ=ルシルフル《6》
『なーに読んでんの?』
気になった
ただ単純に彼が何をそんなに真剣に読んでいるのかが気になった
ふいに呼びかけたためか少し間があき彼は答える
「死後について書かれた本だ。なかなか興味深いものだぞお前も読んでみるか?」
『んー。私、文だけの本読むと眠くなるからやめとく』
彼には彼女を構うと言う考えがないのだろうか
再び本に目を移す彼にふとそんな疑問が浮かび上がるも死後という言葉が頭を占領する
『死後、、、か、、』
そばにあった椅子に腰掛けなんとなく呟いた言葉は空気に混じり消える
死んだ後は天国や地獄などに行くのか?
では、私は地獄行きなのか?
いくら考えても仕方のないことだと理解はしているはずなのに頭は考えることをやめない
『ねぇ、クロロ。』
「なんだ?」
『死んだら全てわかるかな?』
パタンッ
心地のいい音を立てながら本を閉じ大きな瞳で私を見つめる
あ、やっと私の顔見た。
嬉しい
「、、、何を知りたい?」
『死後の世界があるかどうか』
いつの間にやら上から見下ろされる形となっていた私たちは互いの目を見、答えあう
数秒の間の後彼の大きな手が伸びその暖かい体温が私を包み込む
「わざわざ自分で死んで確かめることでもないだろ」
『でも、死なないとわかんないじゃん』
「………死んだら、お前と会えないだろ。だから、死ぬな」
聞こえるか聞こえないか程のか細い声で呟いた彼に
『うん』
と答えるしかなかった
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〔やっぱり知りたくなっちゃった。ごめんねクロロ〕
白い紙に書かれた字は隣で倒れてるの字で
胸に突き刺さっている刃物を抜き抱きしめた
「いづれ人は死ぬんだ。わざわざ自分から死ななくても死後の世界なんてわかったんだ」
頬を伝うのは久々の涙
H27.3.29