第6章 感傷シュガー
「ねぇ主~。今日の俺も可愛い?」
「はい。今日の清光くんも可愛いです」
これが俺と主の一日の始まりの会話。おはように続く会話。
優しい笑顔と心から言ってくれる言葉が安心感を与えてくれる。
だけど、何故か…。
それだけじゃ物足りなくて、もっと“何か”が欲しくて。
心が痛い。
「主、この耳飾り可愛い?」
「清光くんにとても似合ってますよ」
ずきり。
「爪紅塗って?」
「清光くんの爪は本当に綺麗ですよね」
ずきり。
「もっと褒めて!」
「いつもありがとうございます」
ずきり。
手入れしても心のキズは治らなくて…。だけどなんで痛いのかわからない。
大好きな主に愛されてるはずなのに…。
主の甘い甘い言葉が大好きなのに、心に滲みて…イタイ。
この痛みがなんなのかわからないから、もっと優しくして、俺を愛して…?
そうしたら、たぶん、痛くなくなるから…。