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青春のノスタルジー

第13章 うた


帰りの道の渋谷さんもご機嫌だった。

私の前を楽しそうに歩いていた...





渋谷さんの後ろ姿で機嫌が分かるなんて

この人の喜怒哀楽は分かりやすいんだよなぁ...



あれ?


私はフッと気が付いた。

聞こえるか聞こえない声で唄ってる?

これって....ラブソング?


私は黙って聞き続けていた。



聞きながら切なくなっていた....

何て素敵な声なんだろ...

何で時々 ドキッとさせるんだろ....

意地悪なだけなら、こんなに苦しくならないのに....



そんな私の様子に気が付いたのか、渋谷さんは足を止めた。


「.....すばるさん?」


渋谷「よし、今から、たこ焼きパーティーや!」


「へっ?」


驚く私に、彼は子供のようなズルイ笑顔で

渋谷「たこ焼きパーティーするで!」


またぁ、勝手に決める...


「あの、したいのはやまやまなんですが、
私の家にたこ焼き器はないんです....」


私は申し訳なさそうに、
彼に告げると彼の顔色が変わった。


渋谷「なんやと、なら、しゃーないな」


よかったぁ、今回は簡単に諦めてくれた....


渋谷「今から買いに行くで!電機屋にあるやろ?」


えーーっ!!!!

諦めてないのかよ!!!!

ってか、今から行くんですか?


彼の、嬉しそうな目を見てたら、
断れない弱い私。


「はい....そうですね」


まぁ、いいかぁ...

こんなに喜んでくれてるんだから、

この人と楽しい時間を過ごせるんだから...



私も笑顔になり、二人でたこ焼きパーティーの
準備を始める事にしたのでした。

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