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青春のノスタルジー

第10章 すばる


私たちは、軽く敷居を作り眠った。

どうせ、 彼は私を女とは見てないんだろう...

直ぐに眠ってしまっていた。

一方私は.....

眠れるはずがなかった....


隣で気持ち良さそうに眠る、
彼の寝息を聞いていた。

渋谷さんに、少し惚れかけてる自分...
でも、絶対に手が届くわけはなかった。

私は普通の男性にすら、
面白くないと思われる女なんだから

そんな私が、アイドルに....

「....神様は意地悪だ....」

私はそう呟いた。
すると、

渋谷「お前が変わらんと、何も変わらんのとちゃう?」

隣の敷居から、声が聞こえた。

「まだ、寝てないんですか?」

渋谷「お前の寝返りがうるさいからな...」

「あっ、すいません...」

その途端に敷居を越えて彼の手が鼻に延びてきた。

「いたーーい!」

渋谷「どうしても彼氏を取り返したかったら、
根性入れたらええやん?取り返したらええやん」

私の鼻を摘まみながら、馬乗りになる彼に私は静かに頷いた。

渋谷「ようは自分やで?」

ようやく私の鼻から手を離してくれたが、
彼は馬乗りになったまま笑った。

「渋谷さん、ありがとうございます...」

私は恥ずかしそうに、お礼を言うと彼は

渋谷「前から言いたかったんやけどな」

私を強く見つめた彼に、私は少し期待してしまった。


この体勢、もしかして、彼は...


渋谷「渋谷さんじゃなくて、
すばるって呼んでくれや!
めっさ、気持ち悪くってよ」

やっぱり、そんなこと、あるわけないよね

「....あっ、、それは....す、すいません」

私の言葉に、ムッとした顔になった彼は
また容赦なく、鼻に攻撃してきた。

「ぎゃーーっ」

私の叫び声が暗闇の部屋に響く

渋谷「ほんまに、おもろいヤツやな」

いやいや、私はおもろしくないんですが...

鼻を抑えながら涙目になりながら、彼を睨んだ。

渋谷「これからは、すばるやからな!」

「あっ、はい....」

彼は、にっこりと笑うと私の上からおりて、
自分の布団に入っていった。

渋谷「おやすみ~い」


すばるさん、私....鼻が痛すぎて寝れないですけど、

それよりも、心がもっと痛いんですけど....

って事を、彼に言えるわけなかった。
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