• テキストサイズ

青春のノスタルジー

第1章 鳩


人生とは呆気ないものだ。
あんなに愛し合った人と、簡単に別れてしまう。

彼氏と付き合って3年...
確かにマンネリになってた事は否めないが、
でも、まさか....

「ふざけてるよ、美紀と出来てたなんて....」


私の親友と彼氏が出来てて、それを告白された帰りだった。

夕暮れの公園、みんな帰り道を急いで
私の前を過ぎて行く中で
私はベンチに座って落ち込んでいた。
一人の部屋に帰る気になるわけもなく、
失恋を話せる友達も、
引っ込みじあんの私にはいるはずもなく...
一人でキズを癒してた....


涙すら出なかった...
自分に素直なら、こんな事にならなかったのかなぁ?
恋人と親友を両方を失った私は思った...

ふと顔を上げると、
目の前のベンチに帽子をまぶかにかぶった男が、ひたすら鳩に餌をあげていた。

ここ、餌禁止じゃなかったっけ?
それより、何だろ、ひたすら餌あげてない?
うん?あれ....

目の前の男は、
餌を食べている鳩の様子を見て、一人で笑っていた。

ちょっと危ない人なのかも....
あれ、少し顔が見える...
どっかで見たぞ..

えっと、どこだっけ?

私は必死で考えた。

「あーーっ!!!!」

私は叫んでしまった。
その声に鳩は驚き一斉に飛び立ってしまった。
男は私を睨んだ。

渋谷「おい!お前、鳩が逃げてもうたやろ!!!!」

鳩の餌袋を持って、私に近づいて来た。

「あっ、すいません...ごめんなさい....」

私はひたすら頭を下げた。

渋谷「まったく、やっとあんだけ集まったのによぉ」

彼はブツブツ言いながら、また、餌をまきだした。

「あのぉ、ここ、餌は禁止ですけど....」

その言葉に男の動きは止まった。

渋谷「えっ、マジかよ、めっさ面白かったのに…」

男はガッカリした顔をした。

「それより、関ジャニ∞の渋谷すばるさんですよね...」

私は、思いきって聞いてみた。

渋谷「おん、そや」

彼は意外にも、あっさりと答えた。
/ 26ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp