第20章 心の片隅と真ん中
櫻井『ハァハァ…足、速くない?』
綾香『え、普通ですよ笑』
そういって作り笑いをした。
櫻井『……ないでよ。』
綾香『へ?』
よく聞こえなかった。
櫻井『一人で抱え込まないでよ。』
綾香『え…大丈夫ですよ。これは私が私にイラついてるだけですから。』
櫻井『俺に言っても変わらないこと?』
綾香『……はい。』
櫻井『そっか。』
そう言われた瞬間
フワッと
抱きしめられた。
綾香『櫻井さん?』
櫻井『こうしてあげれば少しは軽くなるかなって。』
綾香『っ…』
櫻井『いいよ。泣いてもいいよ。俺が全部受け止めるから。』
綾香『あ、りがとう、ございま、す。っ…』
私がそう言うと櫻井さんは私を離した。