第2章 憎悪。
「琴乃ちゃんのお母さんはパソコン持ってる?」
彰人は唐突にそんな事を聞いてきた。
「持ってるよ。」
「じゃぁ、今からお母さんのパソコンでネット繋いでくれない?」
琴乃は首をかしげた。
何故母のパソコンなのか?
「なんで?」
「さぁね。きっと繋げばわかるよ!」
ただただ暇だった琴乃は
その彰人の指示に従ってみる事にした。
母はちょうど夕御飯を作っていて
部屋にはいない。
今がチャンスと
琴乃は足音を立てずにそっとキッチンの前を抜けると
母の部屋へ忍び込み、
母のパソコンをつけた。
パソコンが立ち上がったので、
琴乃はネットを繋いだ。
なんだか悪いことをしているようで
ちょっとだけドキドキした。
通常の検索サイトのホーム画面が現れる。
「…。」
彰人の言う面白い事とはなんなのだろうか?
「なんもないんだけど…」
琴乃がそう打ち込むが、
返信はなかなか来なかった。