第43章 甘い時間*紫原*
「名前ちん、クリーム付いてるよー。」
「え?やだぁ…どこ、どこ?」
俯いていた顔を上げ、敦に尋ねた。
その時には彼の顔が私の真ん前にあり、口元にペロリと何かを舐めとられる感覚が走った。
「………っ!」
もはや恥ずかしすぎて言葉も出なかった。
やっと収まっていた顔の熱が、また急激に上がったのが自分でもわかった。
「名前ちん、いちごみたーい。かわいいー。」
大きい子どもみたいなのに、たまにとてもドキドキさせられる。
ケーキよりもずっと甘くて、刺激的な彼に私は目がない。
でも、翻弄されっぱなしは悔しいから。
私はからかう彼の唇を塞いだ。
「名前ちん、…甘い。」