第5章 二人の夢*黄瀬*
「ヤバい!練習始まっちゃう!!」
掃除が長引き、クラブ棟から体育館までの階段を駆け降りる。
その時、階段を踏み外した感覚。
…落ちる!
手すりを掴むことも出来ず、そう確信した。
「大丈夫っスか?気を付けて下さいねー。」
誰かの腕に包まれているみたい。
ふと顔を上げると、さらさらの金髪に琥珀色の瞳。
端正な顔立ちで、女子たちの心を掴んでいる彼がいた。
「あっ…ありがとうございます!」
突然のことに戸惑いを隠せず、お礼を伝え足早に走った。
うわぁ…初めてあんなに近くで有名人見たよ…。
格好よすぎる!!