第4章 観覧車
「おまたせ!ごめんなさい・・・遅れてしまって・・・。」
私は、手持ちにケンホロウがいなかったために、遅れてしまった。
「大丈夫だよ。それより、早く観覧車に乗ろう!」
テツは私の手を引っ張る。
(あれ・・・?)
私は今まで忘れていたはずの『テンマ』を思いだした。
(テンマの手に似てる・・・?)
そう。私はテンマにも手を引いてもらったんだ。そして、この手も・・・?
「わあ・・・。高いね・・・。」
テツは私が返事をしないのにしゃべり続ける。
「どうしたの?」
私はテツの顔をじっと見る。
・・・あなたはテンマ・・・?
思っているけど言葉に出ない。いや、出したくなかった。
「大丈夫?」
テンマはこんな私を心配している。私なんて、臆病なのに・・・。