第24章 決断
大倉と二人きりになると、沈黙だけが流れた。
大倉「酷いことを…」
悔しそうに唇を噛み締めながら、大倉は言った。
大倉「僕にそんなこと、
出来ないと分かっているのに....」
不安げな私に優しく微笑みかけ、大倉は言った。
「大倉さん....」
私は、どんな答えでもいいと思った。
彼が決めた答えなら...
大倉「僕が答えを決めるなら、こうだ。
貴女を生かす。
もともと貴女に会わなければ、
このまま過ぎ行く運命だったんだ。
貴女を殺すなど、何の得にもならないから。」
晴れやかな笑顔で、大倉は語った。
その言葉に、私は信じられない気持ちで一杯だった。
胸が熱くなり、大きく心臓が動いていた。
私は、瞳を潤ませて、大倉と見つめ合っていた。