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Dye D?

第22章 過去


私はまた、
白い棺で眠っている彼女の側に来ていた。
中を覗くと やはり幸せそうな顔をしている。

「今にも起きそう....」

彼女が起きなかったら、大倉は
私に振り向いてくれるのだろうか?
そんなバカな事を考えた瞬間、
人の気配を感じた。

大倉が来たと思い、喜び顔で振り向いた。

横山「......大倉じゃなくて、すみません。」

横山は静かに歩みより、私の横に並んだ。

「あの…、大倉さんは?……もしかして……!!」

私に不安が過った。

横山「私は、最初から止めろと言ったんですよ。
人間を愛することは...我々死人には...許されないのだから..」

横山は彼女を見つめながら話を続けた。

横山「私も彼女にハッキリと伝えました。
人間は食すだけの存在だからと...。
しかし彼女は我々に言ったんです。
我々を救いたいと.....愛する大倉を救いたいと...」

私は何も言えず、横山の話を聞き続けた。

横山「そんな彼女を、村人が許すはずもなかった。
彼女を奪った大倉を憎み、
唯一、我々を殺せる銀の弾丸で、
大倉を撃ち殺そうとしたんですよ、
彼女は大倉を庇って...。

言葉の通りに、大倉を救ったんです...」

それだけ語ると、横山は静かに棺の蓋を閉めた。

横山「大倉と錦戸を助けては頂けないでしょうか?
もう..貴女の血でしか救われないので......」

横山の瞳が悲しそうに揺れていた。
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