第20章 渇き
その刹那、錦戸は大倉の喉元に喰らい付き、
音を立てて血を飲み始めた。
大倉「ぐぁ……っ…!!あ"……」
あまりの激痛にもがき、
錦戸を振り離そうとする大倉
村上「お前ら何やっとねん!」
丸山から聞き、駆けつけた村上が二人を引き離そうと二人の間に入った。
安田「あかん、亮ちゃんまともとちゃうで!」
安田は錦戸の様子を見て焦った。
錦戸は大倉を掴み血を吸い続けていた。
叫ぶ大倉。
必死で離そうとする村上。
そこへ、冷静な目で横山が近づき、近くにあった花瓶を掴み水を二人にかけた。
みんなの動きが一瞬で止まった。
錦戸は静かに、大倉の首筋から牙を離したのを、
横山は冷たい目付きで見つめた。
錦戸「....っ、な、何すんねん」
自分が濡れた事に怒りに震える錦戸が大声をあげた。
そこに渋谷が錦戸の胸を掴んだ。
渋谷「仲間同士のケンカはルール違反やろが!
ちゃうんかボケ!いかなる理由があろうともや!」
渋谷の目には、激しい怒りがこもっていた。
横山「ヤス、大倉を部屋に連れてけ...」
横山は安田に告げた。
安田は無言で頷くと大倉を支え連れて行った。
二人が去ったのを見ると、横山は錦戸の方を向き
横山「雛、亮を独房へ連れていけ...」
冷たく言い放った。