第18章 それぞれの思い
彼らは、それぞれの部屋に戻っていた。
丸山「犠牲なし...ね..」
厚いカーテンで覆われた暗い部屋で、
血液パックを開けてすする丸山
丸山「うまい...」
そう感じてしまう味覚に、苦い顔をして俯いた。
丸山「狩りも怖い、人間も怖い..,独りで生きてくことすら出来ないなんて...」
情けない顔をしてベッドに腰かけた。
丸山「足手まといの俺の居場所は...」
村上「ここだろ」
丸山の部屋に村上が入って来ていた。
丸山「!」
村上「お前の様子が気になってなぁ..
もう、独りで考えるなって」
隣に腰かけると、優しく肩を抱いた。
丸山「……」
悲しそうに、村上を見つめる丸山。
村上「勝手に置いて行かれたみたいな顔すんなや、
答えが出るのにも、答えがどれかってことも、個人差あるからな」
そう言うと頭を激しく撫でた。
その村上に丸山は少し笑うと
丸山「僕は…いつも最後だったから…何をしても...みんなの足ばっかり引っ張ってるし...」
悲しそうに告げた。
村上「順番は関係無い、俺らがマルを置いてきぼりにしたことあったか?」
丸山をしっかり見つめ、村上は言った。
丸山「……」
丸山はゆっくり首を振った
村上「そろそろ信頼してくれよ、俺たちを..」
村上は、俯く丸山の背中を力強く叩き微笑んだ。