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Dye D?

第13章 もう一つの部屋


私は、真っ暗な穴を奥に奥に進んでいった。
しばらくすると、突き当たりなのか壁で進めなくなった。
どうにかしないといけないという一心で
思いきり壁を押すと壁が外れた。

私の目に、眩しい光が入って来た。
ゆっくりと中に入ると

「.........ここは、」

ステンドグラスの壁の綺麗な部屋だった。
この部屋だけは、優しい光で照らされていた。
他のどの部屋も薄暗かったのに、それだけでこの部屋が特別だと分かった。
そして、部屋の真ん中に真っ白の棺が安置されていた。

私は、ゆっくりとその白い棺に近づいた。
そして勇気をだして、その棺を開けてみた。


「!!!!!」



その場に残っていたメンバーは、
戻ってきた仲間の顔がどことなく険しいことに
気が付いていた。


村上「亮、どなんしたんや?」

息を切らしている錦戸に、優しく声をかけた。


錦戸「横山くん、女が消えた」

錦戸は、申し訳なさそうに言った。
横山は微動だにせずに考え込んだ。

横山「…………」

丸山「どうなるの、俺たちは!」

パニックに陥り、叫ぶ丸山

安田「確かに居たんだ、俺達の寝る部屋に、さっきまで、」

安田も、明らかに動揺していた。

渋谷「……ヨコ、逃げられたんか?」

横山「あの部屋に行ったのかもしれん」

横山の声で、大倉が驚き走り出した。

錦戸も続いて走りだしたが、横山が制止した。

錦戸「何で俺は行ったらあかんねん!」

怒る錦戸に横山は静かに伝えた。

横山「あそこに行けるのは大倉だけや。」

その言葉に、渋谷、村上も静かに頷く。

安田「なぁ、何があるねん?」

不安な顔で、安田が聞いた。

しかしその問いに、誰も答えなかった。

その棺には、一人の女性が静かに眠っていた。

「こ、この人は?」

見てはいけないモノを見てしまった気になった私は、静かに蓋を戻した。

彼らには何があるんだろう?
この女の人は?
私は無事に帰れるのだろうか?
私の頭に色んな感情が走る。
その時に、人の気配を感じた。
振り向くと、一人の男が
私の後ろに立ちつくしていた。
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