第7章 真実への反応
「い…いやお前が仙果じゃなかったら郷滅んでたし…良いこと沢山あったよ」
匡は頑張って実沙緒をフォローしようとした。
「あぁそう。ありがとう」
だが、実沙緒は落ち込んだままだった。
「姫様は…お優しいんですね。でも姫様…神の巫女は仙果とは違うんです…。神の巫女は誰かを傷つけることしか出来ない…。」
長い沈黙があった。
令が何かを言おうとした。
「桃「僕…人間界に帰ります。こんな危ない奴、郷に置いておけないですよね、匡さん。」
一瞬の間があった。
「お前のしたいようにすればいい」
それが匡の答えだった。
「匡!なんでそんな冷たいこと言うの!伯耆君!本当に良いの?」
「…桃が決めたことに従います。」
悠も匡と同じ答えだった。
「じゃあ準備ができ次第、帰りますね。」
「桃…」
実沙緒だけが最後までその部屋に残っていた。