第7章 真実への反応
「僕の村が滅びたのは土蜘蛛のせい?違うか…あの子達が死んだのは…僕のせい。」
桃は泣いていた。
「僕が居なければ…誰も死ななかったの…?」
「桃っ…違う…それは土蜘蛛のせい…」
悠は桃を宥めようとした。
「ただの天狗として生まれたかった…普通に悠と恋をしたかったのに…」
「桃…私は仙果で良かったって思うときあるよ。匡と出会えたのも、匡を救えたのも、仙果だったからだし。私が仙果じゃなかったら、今頃他の人が匡に…。あーぁ嫌だ。考えたくもない。」
実沙緒は無理した笑顔で言った。
「おい、実沙緒。俺はお前が仙果だったから、当主になったんだ。他の奴が仙果だったら今頃祥がこの郷滅ぼしてただろうな。そして俺とお前は普通の恋愛をしていた…お前が仙果じゃなくても俺はお前と恋に落ちる!」
匡が自信満々に言ってきた。
「そっか…匡は私が仙果じゃなくても良かったんだね…」