第4章 桃の誕生日
「桃!十六歳&結婚おめでとう!」
「ありがとうございます!姫様に祝ってもらえるなんて…とても嬉しいです!」
桃はかわいく笑った。
「そういえば、どうして四年間も会わなかったんだろうね?」
「俺が会わないようにしていたからな。」
意外なところからの返事だった。
「桃が婚約中に百合に目覚めたら大変だからな。」
「匡さん本当に変わってないですね。僕が愛しているのは悠です。百合に目覚めても、悠以外を愛すなんて絶対にありえません!」
桃は断言した。
「桃、かっこいいね」
「ありがとうございます、姫様。この事以外に絶対、なんて使えませんから。」
「桃ー、伯耆の顔真っ赤だぞー 笑」
匡がいつものいたずらっぽい顔で言った。
「匡様!言わないで下さいよ!恥ずかしいじゃないですかー」
「なぁに?キスでもしてほしい?」
そう言った桃の顔は匡のさっきの顔とどことなく似ていた。
「桃ー!悪ふざけは…」
急に池が光った。