第1章 はじまり
~姉サイド~
私の名前は友里。高尾友里。
秀徳高校2年。
1つ下の弟、和成も同じ秀徳に入学し、毎日バスケの練習に明け暮れている。
両親は共働きで帰りも遅いので、家事全般は私の仕事だ。
夕飯の支度をしていると玄関が開く音がして、弟が帰って来た。
「姉ちゃんーただいまー」
玄関から一直線で私の元に来る。
「お、今日もうまそーなご飯だな!」
そう言って頬にキスをしてくる。
いつもと同じセリフに行動。
いつになったらお姉ちゃん離れするのかと思いつつも、
そんな弟が可愛いと思ってしまう私も、弟離れは出来そうにないと思う。