第3章 入江みお 〜朝〜
入江は携帯の画面を見ながらため息をつく。そして内容を確認した。
【おはよう!元気か?今日も頑張れよ。愛してるからな!💕】
胸焼けがするほどどうでもいい内容だ。入江は拒絶するようにメール画面を閉じた。
後藤は中3のとき他校受験をし、いなくなってしまった。
そのとき別れを告げようと思った。
その頃にはもう入江の心は後藤から離れてしまっていた。しかし入江の心が離れていても、後藤の心は入江から離れなかった。
もう限界だった。
愛し合っていたときは幸せだった。
互いの家に遊びに行き、なんどもキスを交わし、若気の至りでSEXを楽しんだ。
しかし今思い出すと吐き気がするほど嫌悪感に襲われた。
ー早く別れたい。
そう願ってもなかなかうまくいかない。
「みおっ!電車に遅れるわよっ!!」
再び母の怒鳴り声で我に返る。急いでスクールバッグを手に取り母の車の後部座席に乗り込んだ。