第40章 灰色のジャージ
暦が何て言ったのか、よく聞こえなかった。
暦は、パッと顔を上げると俺に笑いかけた。
暦
「本当にメールは何でもないの!ただ、忘れ物を思い出して…」
影山
「忘れ物?」
暦
「急いで取りに行く程の物じゃないから、全然平気なんだけどね」
笑ってるけど…多分嘘だ。
暦
「じゃ、私こっちだから…またね」
影山
「待て。本当に大丈夫なのか?」
暦
「えー、たかが忘れ物がそんなに心配?大丈夫だって!」
忘れ物の話じゃねえよ‼︎
暦
「飛雄は、明日の試合について考えなよ。あ、でも考え過ぎて眠れなかった〜とかはナシね?」
影山
「オイお前(暦「また明日ね」─オイ‼︎」
暦は、勝手に打ち切ると走り去って行った。
影山
「─なんだよ…」
俺には言えない事なのか…?