第37章 水色のジャージ
暦
「やられっぱなしが嫌だって話です」
東峰
「!」
暦
「レシーブは方法の一つですよ。…てか、東峰先輩には強打で勝って欲しいです」
私みたいに、まどろっこしい手を使う必要なんて無い。
暦
「鉄壁=完璧な壁ではありません。鉄の壁だって、崩せるし、壊せるんです」
完璧な壁なんて存在しない…
暦
「それに…鉄壁を壊して試合に勝ったら、きっとスッゴイ気持ち良いですよ!」
東峰先輩は、自分の掌を見つめ、握り締めた。
東峰
「そうだな…鉄壁を打ち抜けたら、気持ち良いだろうな…」
暦
「東峰先輩なら、きっと味わえますよ」
東峰
「ああ…ありがとな、鳴宮。お陰で元気出たよ」
暦
「良かったです(ニコッ」
後ろ向きな姿は、エースには似合わない。
暦
「エースは前を向いてこそ、ですよ」
東峰
「…おう!」