第32章 私の経歴
梢
「それは…故障っスよ」
影山
「……」
梢
「暦は、中3の時…丁度大会が終わった時期に左膝を故障した。…そして、それから直ぐに事故で両親を亡くしました」
全
「‼︎」
梢
「んで、伯父さん…私の父の家に、暦は引き取られたんスよ」
皆が暦を見るけど…
菅原
「鳴宮…」
暦は、清水ちゃんの隣で俯いたままだ。
梢
「暦が過去を話したがらないのは、単に思い出したくないからと…選手を辞めた自覚を持つ為」
ごめんね〜、皆…
梢
「じゃないと、また選手に戻りたくなっちゃうからって理由です」
─本当の理由を話してあげられなくて。
梢
「って言っても、もう大方治ってるんで!長時間は無理でも、バレーやろうと思えば出来るんスよ」
日向
(だから、俺のレシーブ練習に付き合ってくれたのか…)
独りで練習を続けてるくらいだしね…