第32章 私の経歴
梢
「その記事見て分かる様に、暦は東京の殿燕中学女子バレー部で大活躍した有名選手だった訳だけど…質問ある人〜」
真っ先に手を挙げたのは、日向君と影山君。
梢
「日向君からどーぞ」
日向君は、チラチラと暦を気にしながらも口を開いた。
日向
「さ…“最強の盾”って何ですか?暦の異名とか…」
梢
「その通り!暦は、守備力が半端なく高かったから、ファンからそういう異名が付いたの」
日向
「じゃあ、この“姫燕”って…」
梢
「それは、殿燕中女子バレー部の事ね。女の子に“殿”は変だからって理由かららしいっス」
コートを舞う姫燕、ってよく言われてたしね。
梢
「じゃあ次、影山君」
さっきの様子を見た感じだと、きっと影山君は前から知ってたんだろーな〜。
影山
「…暦は、何で選手を辞めたんですか?」
暦
「!」
梢
「それは…」
それは、私が一番彼らに伝えたい事で…暦が一番彼らに秘密にしたい事…