第26章 夜の語らい
菅原
「何かあったのか…?」
何も無いです、って答えたいけど…
暦
「…時々…あるんです」
さっきの今で、嘘を吐くのは良くないよね…
暦
「寝てると…寂しい感情が湧くっていうか…心細くなって、眠れなくなるんです」
菅原
「寂しいって…どうして?」
それは……大切な人が…居なくなってしまったからだ。
暦
「すみません…言えないです」
これを話す事は出来ない。
それは、私にとって逃げだから…
“あいつ”との約束を破る事だから…
菅原
「そっか…うん、無理に話さなくて良いよ。話したい事だけ話せば良いべ」
菅原先輩の優しい声に、緊張から救われた気がした。
菅原
「でも、嘘は吐くなよ?」
暦
「…ハイ」