第15章 白色のジャージ
日向
「暦に近づくな、大王様!」
及川さんは、立ちはだかる翔陽を気にせず、ポケットから一台のスマホを取り出した。
及川
「廊下でぶつかった時、落としたみたいだよ?」
暦
「あ!私の…」
及川
「体育館で渡すの忘れててさ☆」
嘘だ、確信犯だ。
仕方なく、翔陽の前に出て、及川さんに向き合う。
暦
「態々ありがとうございまし─うわっ⁉︎」
手を伸ばすと、掴まれ引っ張られた。
またもや及川さんの腕に収まってしまう、私。
日向
「暦ー‼︎(泣」
暦
「セクハラです。離してください。携帯返してください」
及川
「俺の事、名前で呼んでくれたら返してあげるよ!」
何で?