第11章 緊張の様子
田中
「いくら高く跳べても元々デカい奴と比べたら、ジャンプのMAXに到達するまでの時間がかかるだろ」
暦
「確かに…その分、ブロックの完成が遅くなりますよね」
そこを狙われると、危ないかも。
影山
「…ハイ。だから、日向がブロックで重点を置くのは、相手の攻撃(スパイク)を叩き落すよりも、〝触る〟こと」
暦
「なるほど、シャットアウトではなくワンタッチ狙いなんだ」
影山
「ああ。日向のバカみたいな反射速度活かして、敵の攻撃に兎に角触って勢いを弱め、確実に拾ってカウンターをしかける」
翔陽の反射神経があれば、出来なくはないかも。
田中
「そんないきなり、うまいこといくか!」
澤村
「いかないだろうな!少なくとも、最初は」
田中
「?」
澤村
「うまくいくか確証は無いし、相手チームには馬鹿にされたりするかもなあ」
心配そうに言いつつも、澤村先輩は笑ってみせた。
澤村
「でも、やってみれば何かしら、わかることがあるよ!〝練習〟試合なんだしさ!」
田中
「……………オス」
公式戦では躊躇われる方法でも、練習試合でなら挑戦出来る。