第8章 映せる景色
〜暦 side〜
山口君のサーブを田中先輩がレシーブした…その瞬間、日向君が助走を始めた。
いや、助走ってより…全力ダッシュだ。
日向君は、真っ直ぐに月島君へ向かって行く。
暦
「⁉︎何でブロックに突っ込んで…」
その時、日向君が方向転換した。
月島/山口
「⁉︎」
暦
「速い!」
とても速い切り替えで、月島君達を出し抜いた…ブロックを躱した!
日向君が床を蹴り、高く高く跳ぶ。
影山君がトスを上げ、ボールは日向君の掌へ…
ドッ
月島君の手も、澤村先輩のフライングも間に合わず…ボールは、コートの上に叩きつけられた。
あの速攻が…また、決まった。
日向/影山
「─オシ!!!」