第7章 新人戦─3対3─
影山君から日向君にトスが上がる。
日向
「ふぐっ」
ボールに日向君の手が掠り…
澤村
「おおっ⁉︎」
へろへろと、相手コートに落ちた。
月島
「⁉︎」
多分影山君は、田中先輩に上げようとしてた…なのに、日向君に惹きつけられたみたいに、咄嗟にトスを上げてた。
日向
「アッブねー…空振るトコだった…」
戦況を見ても、田中先輩に上げる方が確かだったと思う。
影山
「お前、何をイキナリ(日向「でも、ちゃんとボール“来た”!!!」!」
でも、日向君が呼んで、影山君が上げたそのトスは…なにより意味のあるもので…
日向
「中学の事なんか知らねぇ‼︎おれにとってはどんなトスだって、ありがたぁ〜いトスなんだ‼︎おれは何処にだって跳ぶ‼︎どんなボールだって打つ‼︎」
この先とても…大切なものになる。
日向
「だから──おれにトス、持って来い!!!」
何故か私には、強くそう思えた。