第52章 大事なこと
更衣室に入って、私は鞄と上履きを置いた。
鞄の中から、Tシャツとジャージを取り出す。
またこれを着れる嬉しさに顔を緩ませた。
着替えを済ませた後、急いで体育館に戻る。
開いている扉の前で一度止まって、
暦
「これからも、お世話になります!よろしくお願いします!」
大声でそう言って、私は体育館の中に入った。
日向
「暦!」
翔陽が、私に向かってニッと笑う。
日向
「おかえり!」
田中
「ってオイ!何一人で言ってんだ日向‼︎そーいうのは先ず先輩から言うもんだろ!」
龍先輩が日向の背中を叩いて、それを見て皆が笑う。
また泣きそうになりながら、私は…
暦
「──ただいま!」
ここに戻る事が出来た嬉しさに、心の底から笑った。