第51章 大切なもの
暦
「武田先生…」
一歩、武田先生が私に歩み寄る。
武田
「鳴宮さんは…何か、罪悪感のようなものを抱えてるんですね」
暦
「!」
武田
「それは、鳴宮さんが烏野に入学する以前の事で、皆には関係の無い話なのかもしれません」
武田先生は、よく人を見てる…
武田
「鳴宮さんが退部届を提出したのも、その人に言われたからではなく、その罪悪感が理由なんだと思います」
だから、見透かされる。
武田
「鳴宮さん、」
暦
「…はい」
武田
「君の罪悪感は、退部すれば消えるものですか?」
暦
「!」
消えない…
暦
「消えません…」
絶対に、消える事は無い。