第50章 失いたくないもの
〜菅原 side〜
武田
「鳴宮さんから…退部届が提出されました」
武田先生から告げられた言葉。
いつも通り騒がしかった筈なのに、今は体育館の中が静かだ。
皆が皆、信じられないという顔をしてる。
俺だってそうだ…まさか本当に、鳴宮が……
菅原
「何で……」
昼休憩、教室まで謝りに来た鳴宮を思い出す。
心底申し訳無さそうな様子だったけど、ちゃんと笑っていた…
大丈夫だと思った…梢さんが言うように、辞めたりなんかしないって。
なのに──
武田
「昼休憩の間に、他の先生に預けたんだと思います…職員室の、僕の机の上に置いてありました」
謝りに来た時は、もう…退部届を提出した後だった…?
菅原
「何でだよ…っ…」
鳴宮…‼︎