第50章 失いたくないもの
暦
「──失礼しました」
用事を済ませて、私は職員室を後にした。
廊下を歩きながら、パチンと自分の頬を張る。
暦
「…ふぅ」
日向
「あっ‼︎暦!!!」
暦
「Σ!(ビクッ」
息を吐いた所で背中から大声が聞こえた。
暦
「な、何⁉︎…って、翔陽か」
ビックリした〜。
翔陽が、半ば駆け足でこちらにやって来る。
日向
「暦っ」
暦
「翔陽、一昨日はごめん。勝手に居なくなって」
日向
「え?あっ、いや、全然!…それより!(ガシッ」
暦
「⁉︎」
何故か、翔陽に両肩を掴まれた。