第49章 罪悪感の先
チカ
「攻撃は?」
暦
「エースも、裏エースも、スパイクの威力高いよ。MBも…囮と速攻が凄い1年と、観察力が高くて常に冷静なプレーをする1年が居て…」
チカ
「ふーん…チームワークは?」
チカの足が止まった。
私もつられて止める。
暦
「…まだチグハグな所もあるんだけど、良いと思う。主将が要になってて、3年の先輩もよく気が付く人で…あと、」
チカ
「何だ?」
暦
「さっき言ったMBの前者と1年セッターのコンビが、特に良いんだ。互いに互いのプレーを信頼してて…その速攻には、いつも見惚れちゃう」
チカ
「見惚れる…?」
チカの目が、冷たいものに変わる。
暦
「!…」
怒らせた──
チカ
「お前が、他人のプレーに?」
暦
「ち、チカ…」
動けないでいると、チカの手が私の腕を掴んだ。