第9章 W・C
「………ッ」
ここで秀徳のW・Cでの連勝がストップした。
泣き出している部員、堪えてはいるが目を潤ませている部員がいる。
「全員胸を張れ!!退場するまでだらしない姿を見せるな!戦ったのはオレ達だけじゃない。応援席前に整列!!」
大坪の声とともに、レギュラーメンバー、ベンチメンバーは応援席前に向かって頭を下げた。
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「ベスト4かーまーこんなもんっしょ。よくやったよあの洛山相手に」
大歓声と、ライトで明るかった会場を出て、静かで暗い廊下に戻ると、高尾は頭の後ろで手を組みながら笑顔で言った。でも声が微かに震えている。
「…………」
「…アレ?真ちゃん傷心やばい?……けどワリ。今はちょっとなぐさめてやれねーわ」
「………フン…………だろうな…」
高尾は歯を食いしばりながら嗚咽を噛み殺して泣いていた。
会場からは大歓声が聞こえてくるが、そんなもの耳には入らない。
「……だが、オレもだ。悔しいな…やはり………負けるというのは」
緑間は立ち止まると、先ほど戦ったコートを振り返って一筋の涙を流した。
暗い中でも、その涙は銀色に光って見えた。