第18章 【最終章】 The Way
高尾は夢にブンブンと手を振ると、三人は体育館に向かって歩き出した。
「今年こそぜってー日本一だかんな、真ちゃん!」
「当たり前だ。去年以上に練習をしなくてはいけないのだよ」
「もう悔しい思いはしたくねーしな。お前にも夢にも、今度は日本一になった姿見せてやるぜ」
「そうだ。楽しみに待っているのだよ」
「うん!めっちゃ楽しみに待ってるね!」
「そうと決まったら練習練習〜」
「じゃあこれからはまた毎日居残りだね!よーし!」
「初心に戻って頑張るのだよ」
「え、居残り!?……まあやるか!」
そう言って高尾は体育館のドアを開けた。
その先に広がっていたのはいつもと変わらない練習風景。
入学した時と何も変わらなくて、威勢のいい声とバッシュのスキール音に、入部したあの日のようにまた胸が高鳴った。
脳裏に焼き付いたあのW・Cの光景。
まだ昨日のことのように思い出すあの最高の景色と興奮と悔しさ。
ロッカールームで泣いた時から心はもう決まっている。
また味わうためにも、そして味合わないためにも練習あるのみだ。
「さぁ、行こーぜ」
「ああ。」
「うん!」
3人は、勢いよく体育館へと踏み出した。