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The Way【黒子のバスケ】

第17章 もう大丈夫





だんだんと暖かくなり、もう春は目前だった。
みんなが出会った季節もめぐり巡って近くなって、ついに今日は待ちに待った卒業式だ。
すれ違う人々の多くは制服の胸の部分にに花をつけている。
そして胸を張って希望に満ちた顔。
その表情を見ているとこっちまで明るく自身を持てるような気がした。


「この前入学したばっかだと思ってたのにもう卒業式かよ。はえーなぁ」

「もうすぐ1年経つんだね」

「月日が流れるのはあっという間なのだよ」


ただ今の時刻は9時。卒業式は10時から開始で、それまでまだ時間があるため高尾、緑間、心結の三人は一旦教室を抜け、あるところに向かった。階段を降りて下にある3年生たちの教室はとても賑わっていて、晴天の今日こそ新しい門出に相応しい日だ。
長い廊下をキョロキョロと見渡すと、その先にはお目当ての人たちが廊下で何か話をしている姿が目に入った。


「あ、大坪さーん!」


大坪と一緒に木村と宮地もいる。高尾、緑間、心結は先輩三人組に駆け寄った。


「何か用か?」


「何って、今日は卒業式じゃないすか!だから卒業式始まる前に先輩達に会いたいなーって」


「へー、可愛いところもあるじゃねえか」


「真ちゃんなんかずっと号泣だったんですよ?先輩達と離れたくないのだよー!って」


「そうそう」


「号泣なんてしてないのだよ!」


「してねえのかよ!」


いつもの会話を見て、大坪も木村も笑っている。
プンプンする緑間を見て、高尾と心結も笑った。


「それより大坪さん、木村さん、宮地さん、卒業、おめでとうございますっ!」

「おめでとうございます」

「おめでとうございます!」


「ああ、ありがとう」


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