第16章 ユラユラ
バカにされているのかと思い、不安になっていると高尾が笑いながら言った。
「夢の反応が面白すぎて、つか可愛くてwww」
「〜〜〜!」
からかわれていると分かってまた顔が熱くなった。
けれど楽しそうに笑っている高尾の顔を見ると、恥ずかしいのに許してしまいそうでなんとも悔しくなった。
いつも高尾のペースに乗せられてこっちが恥ずかしくなって、なんとかしてこっちからも攻撃を仕掛けようと模索していると、いきなり高尾の顔がグッと近付いてきて変な声をあげそうになった。
「たっ高尾くん!!?」
「…夢」
いつもとは違う高尾の表情にドキッとして、夢は無意識に目を閉じた。すると、
チュッ
微かに唇に柔らかいものが当たった感触があって、夢は目を丸くしながら唇に手を当てた。見ると高尾はニコニコ笑いながら舌を出して満足げにピース。何が起こったのか分からなくて、夢は必死に目線で高尾に問いかけた。
「ごめん、夢が可愛かったからキスした」
「○#□☆$△!!!??」
あまりの驚きと恥ずかしさに声にならない叫びをあげる夢に、高尾はさらに楽しそうに満面の笑みをもらした。
「今度はちゃんとしようぜ。」
「!!!!??」
仕返しをするどころか完全に高尾のペースに持っていかれ、頭が上がらないうえに胸のドキドキが一層大きく早まるばかりだった。