第4章 秀徳高校バスケ部
「向こう、なのだよ」
緑間は道路を出て家のある方向を指さした。
「えっまじ?方向一緒じゃん!」
「一緒に帰れるね!」
緑間はこの上なく嫌そうな顔をしていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「いやぁまさか緑間くんと家まで近いなんてなー!」
「……クソっ」
高尾と心結は緑間を挟んで一緒に下校していた。
緑間は常に不機嫌そうな顔である。
「それにしても緑間くん、見た目真面目でガリ勉くんみたいな感じなのに、すげーよな」
「ほんと。緑間くんのシュート近くで見るとほんとすごい!見た目そんなんじゃないのに~」
「失礼なのだよ」
「それになのだよって何?口癖?」
「そんな感じだ」
緑間は興味がなさそうに1人スタスタと歩いていってしまう。二人は早歩きで緑間のあとを追いかけた。
「お前たちはどんな関係なんだ?入部した時からずっと二人で話しているだろう。」
「オレたち、幼馴染みなんだ」
「家も隣同士なの」
「だからそんなに馴れ馴れしいのか」
そんな他愛のない話を続けながら3人は道を歩く。
先ほどよりも緑間の歩幅が小さくなったことに心結は気付き、嬉しくなった。