• テキストサイズ

The Way【黒子のバスケ】

第15章 緑とオレンジ






出されたパスは誰にも邪魔されることなく見事に緑間に。
渡ったボールを緑間はそのままシュートした。その途端、ボールは大きなネットを揺らす。
あのパスワークはサッカーでも健在だった。


シュートが決まり、自陣に戻って試合が再開してもその勢いは変わらない。クラスの男子からパスをもらった緑間は、敵をかわしてから高尾にパスを出す。
ボールをもった高尾はそのままドリブル突破でゴールを決めた。


「見てたけど、すごかった!」


「真ちゃん、サッカーだとオレにもいっぱいパス出してくれるからさ〜」


「点を取るためなのだよ!」


「二人ともサッカーもうまいんだね!」



高尾は照れくさそうに笑うと、緑間は横でふんと鼻をならした。


「じゃあ真ちゃんっ!今度どっか遊びに行こ!」


「あぁ、」


背の高い緑間に目線を合わせるように、心結は少し背伸びをして言った。
ニコッと笑うと、緑間とちょうど目が合う。


その仕草に、心なしかドキッとした。



「………」



三人の一番後ろを歩く夢。
後ろからだとよく分かる。
高尾が何を見ているのか、何を思っているのかも。

高尾は何も言わず、ただチラッと前を歩く二人を見てすぐに視線を落とした。
一瞬見えたその高尾の瞳が夕日に照らされて、夢の目にはなんとも切なく映った。


高尾くん……



「高尾くんっ」


「んあっ?」


いきなり声をかけられたことに驚いたのか、高尾は一瞬ビクッと体を震わせまん丸の目でこちらを見た。



「高尾くんもまたすごいところ見せてね」


「……あぁ」


ニコッ


振り返った時に見た笑顔は、間違いなく寂しそうに見えた。



「………………」







/ 344ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp