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The Way【黒子のバスケ】

第15章 緑とオレンジ






時間が過ぎるのは早いもので、四人が出会った季節まで後少し、というところまできた。


今考えると数え切れないほどに悲しかったことも楽しかったことも、嬉しかったこともあった。



「あと少しで入学して1年かぁ。早いなぁ」


一人で部屋で丸くなりながらスマートフォンをいじる。
今までに撮ってきた何枚もの写真を見ていると、本当に時が過ぎるのは早いと実感できた。


入学式の時の写真、遠足の写真、体育祭の写真、文化祭の写真。
そしてインターハイの写真や合宿、ウィンターカップの写真とバスケ部で撮った写真も山ほどある。
こういった写真を見ながら思いふけっていると、画面が一瞬にして通話画面に切り替わった。


こんな時間に電話なんて珍しいと思い、登録してある名前を見る。するとそこには短く登録された四文字が。
心結は慌てて通話ボタンを押した。




「もしもし…?」



心結は恐る恐る電話に出た。
久しぶりに聞く、この声。



『もしもし?心結?』


「……お母さん?」



聞きたかったこの声。今一番会いたい人。



『心結!大丈夫?元気にしてる?』


「うんっ!」


『そっちは夜でしょ?夜遅くにごめんね』


「ううんっ!全然!眠くないし大丈夫!」


『よかった!報告があるの!』


「なあに?」



心結は唾を飲み込んで言葉を待った。



『仕事が一段落ついたから来週日本に帰れることになったの。だからね、』


「待ってる!お母さんのこと待ってるね!」


言葉の続きを待つ前に心結は言葉を繋いだ。




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