第15章 緑とオレンジ
緑間と心結、高尾と夢が付き合うようになってから、無事大学入試を終えた先輩達に挨拶に行った。
「先輩!」
「高尾と緑間か。どうした?」
以前のように3人一緒にいる大坪と木村と宮地。
W・Cが終わり、引退しても何も変わっていないように見えた。
「受験、お疲れ様っス」
「あぁ、ありがとう。」
「お疲れ様です。」
「そうだ!聞いてくれよ!オレ達全員第一志望合格だったぜ!」
木村はその場から立ち上がって言った。
「え、まじっすか!おめでとうございます!」
「当たり前だっつーの!引退してからバスケのことは忘れて必死こいて勉強したからな」
「とりあえず安心だな」
3年生はほっと安心したように笑ってみせた。
「…でもなんか、卒業が近付いてるみたいで寂しいなぁ…なんて」
高尾は寂しそうに言った。
その言葉に答えるように、全員が卒業のことを考えて虚ろな表情に。
「…まぁ、な」
「お前らだって2年後はこうなんだよ!」
「緑間は大丈夫だろうが、高尾は心配だな」
「勉強だけの毎日とか耐えられねーっすよ!」
高尾は泣き真似をしながら言った。
「で?なんか用かよ?」
「いや、ただ久しぶりに先輩達に会いたいなーって」
「気持ちわりーこと言うなよ、高尾」
「真ちゃんもいつも寂しいって言ってたんですよ!」
「言っていないのだよ。高尾は言っていましたが」
また、以前のような秀徳バスケ部の光景だ。
もう先輩達が引退して時間が経ったがやっぱりこの時のチームが一番な気がした。
それに、もう少しで卒業の季節がきてしまう。
「あ、そうだ!先輩達に朗報です!」
「なんだよ」
「実は!オレ達!」
「もったいぶってねーで早く言えよ」
少しためる高尾にイライラする宮地。
「オレ達!実は〜…彼女ができたんです!!!」