第3章 いよいよ
英語準備室の扉をノックすると中からは男の人の声。
ガラガラとドアを開け
「失礼します、中谷先生はいらっしゃいますか」
声を掛けるとその声の本人が中谷先生だったようだ。
「わたし、バスケ部のマネージャー希望でっ」
先生はトントンと指で机を叩きながら入部届けを受け取った。
秀徳高校顧問の監督は中谷先生という人らしい。
雰囲気が高尾に似てるな、と心結は内心思い、笑うのを必死で堪える。
「マネージャーやるってことは、部活と一緒で休みもロクにないぞ。大丈夫か?」
「はいっ!部員の皆さんを精一杯サポートできるように頑張ります!」
勢い余って少し大きな声を出してしまった。
中谷先生はその姿に笑う。心結は恥ずかしくなって顔を両手で覆った。
「わかった。これから頼むぞ、高槻」
心結は元気良く返事をするとその場をあとにした。