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The Way【黒子のバスケ】

第13章 Heart


その後おばあちゃんはマスクをして戻ってきた。
まだそんなに時間は経っていないのに家を出ていった時よりも辛そうで、診断結果はインフルエンザだったらしい。

空は普通の風邪だったが、祖母は年齢ゆえ体力も衰えている。毎日空の看病をしながら家事をこなすには負担が大きかったのだろう。
どこからか移されてしまったようで、再度熱を測ってみると39度を超えていた。



「おばあちゃん大丈夫?辛いでしょ?」


「平気だよ。それより心結ちゃんの晩御飯作らないと…」


「自分でやるからおばあちゃん寝てて!すごく辛そうだし!」


そう言って立ち上がろうとする祖母を無理矢理寝かせた。そんなことを言っているけれど、顔を見るとすごく怠そうだ。

心結は空が寝ている横に布団を敷き、そこに祖母を寝かせた。


「おばあちゃんは治るまで安静にね。ただの風邪ならまだしも、インフルエンザなんて大人しく寝てないとダメだからね!」


「………苦労かけちゃってごめんね」


「何言ってるの!空もわたしも、毎日元気に学校に行けるのは面倒見てくれてるおばあちゃんと一生懸命働いてるお母さんのおかげだもん!」


「……ありがとうね」


あとから何だか言ったことが恥ずかしくなって、はにかみながら笑って見せて部屋を出た。



そうだ、おばあちゃんだってお母さんだって、わたしたちのためにいつも一生懸命頑張ってくれてるんだから、わたしが頑張らないと。



冷蔵庫にあるもので夕飯を作って、食べようとしているとちょうど空が起きてきた。


「おねえちゃーん!」


「あ、空!大丈夫なの?」


「うん!もうあんまり苦しくない!」


「そっか、よかった。あ、お粥作ったんだけど食べる?」


「食べる!おなかすいた!」


「おばあちゃんのためにも少し多めに作ったんだけど…」


「おばあちゃんも?なんで?」


「そうだ、おばあちゃんも風邪ひいちゃったんだって。だからしばらくご飯はわたしが作るからね。」




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