第13章 Heart
本気で好きだった。
今までこんなに好きになった人はいなかった。
自分にも嘘がつけないくらい、この気持ちは本物だった。
でも正直、高尾と心結が結ばれた方が何倍も素敵だし高尾にとっては幸せなんだろうとも思う。
それは紛れもない、本心だった。
夢にとっては高尾も心結も大好きで、かけがえのない存在。
だからこそ悲しみもあるが仕方がないことだと自分をなだめることもできる。
なんでもっと早く、気付けなかったんだろ。
もっと早く気付いてたらこんなに悲しむこともなかったのに。
「………っ……」