第12章 キミのせい
どうしよう、どうしよう、どうしよう!
目の前には高尾くんがいる。
想いを伝えるためだけに部活が終わる時間まで待って、勇気を振り絞って高尾くんを誘ったのにどうしていいか分からない。
告白するって決めたのに、やっぱり想い人を目の前にすると混乱してしまう。
今までだって何回同じことを繰り返したことか。
でも、今回だけは決めたんだ。だってこんなに好きになったのは高尾くんが初めてだから。
「あのね、高尾くん!!!」
「んー?」
あたりは暗くて、高尾の顔はよく見えない。
けれど、名前を呼んで顔を見つめると高尾も自分の顔を見てくれている。それだけで心臓が早くなって顔が熱くなる。
暗くても、それだけは分かる。
言わなくちゃ。
高尾くんに、伝えなきゃ。
「わたし、高尾くんが……」
好きだって。
「高尾くんが……………すき」