第11章 偶然
太輔:「そっか…」
今度は私の足元の床に座ると、テーブルのマグカップを手渡してくれた。
依公子:「ありがと…」
依公子:「太輔くんこそ、こんな時間に帰るなんてどうしたの?」
太輔:「ん?俺は空き時間だから、忘れ物取りに来たんだけど、来て良かった♪」
笑顔の彼が振り向いてくれる。
依公子:「忘れてくれて良かったぁ!どうしたら良いか分かんなかったよ~」
太輔:「会えるように忘れさせたのかも?運命の神様が居るのなら!」
楽しそうに笑う彼に安心した。
太輔:「あ!俺行くわ!オートロックだから、楓くんが起きたら適当に帰って?その辺好きにして良いよ!また連絡する!」
バタバタとキッチンやテレビの回りを指差しながら、
太輔:「いってきます♪」
笑顔で手を上げた。
私も笑顔で
依公子:「いってらっしゃい♪」
と返事して、手を振った。