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溺れる

第3章 エレベーター


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太輔:「あの…もし良かったらご一緒させてもらえませんか…?」

思わずそんな事を言ってしまった。

依公子:「えっ?」

太輔:「あ、イヤ、すごく楽しそうに話してらっしゃるので…」

依公子:「あ…友達はたぶん泣いて喜びますけど…良いんですか…?」

驚きのあまり、棒読みみたいな言葉の彼女が面白くて、

太輔:「友達は誰の担当ですか?連れて行きますよ♪たぶん暇してるんで…(笑)」

そう言って、スマホのメンバーとのトークをひっぱりだした。

依公子:「(笑)北山くんと、横尾くんと玉森くんです♪」

太輔:「分かりました♪じゃぁ、後でお伺いしますね♪部屋番号と念の為に連絡先教えてもらって良いですか?」

彼女と連絡先の交換をして居ると、エレベーターが動き出した。

依公子:「わ!」

急だったので、今度は前のめりに倒れそうになった彼女を抱き止めた。

依公子:「す!すいません!」

太輔:「イエ…大丈夫ですか?あ、あの、名前教えてもらえませんか?」

香水や化粧品の匂いがしない彼女をなぜか抱き締めたくなったのを押さえて、そう言った。



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