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【CDC企画】やっぱこれだねー!

第1章 ヴィシャスなんかじゃないわ!/×澤村大地(ハイキュー!!)


 クリスマスを終え、寝正月を終え、寒い冬であるから、という理由をつけてわたしはゴロゴロと床に転がる。

 毛布を見つけてくるまり、ぬくぬくとする。嗚呼幸せなり!



 わたしの母方の実家は東京にあるので、わたしは高校二年という勉強が本分である身ながらも、従来の心配性から冬季課題は既にあらかた終わらせていたので、東京で自堕落な生活を楽しむ。



 わたしは、来たる聖バレンタイン・デイへの準備をせかせかとしている銀座の街へと繰り出した。

 イルサンジェーにマルコリーニ、ベルアメール、クリスチャン・コンスタン。メリーのケーキも大好き。

 サロン・デュ・ショコラはまだだからルガックのショコラは食べられないけれど、叔母さんから毎年山のようにどっさり送られてくるので、私がチョコレート不足になるのなんて夏くらいのものだ。

 冬、最高。ヒバ、ウィンタースイーツ!



 しかし、そうは問屋が卸さないのが現実ってもんで、宮城に帰ってきて、本間家のバス・ルームに仏のような顔をして鎮座する、その体重計に乗ってみると、「あれ、もしかして地球の重力の値変わっちゃった?」というような数字を叩き出した。

 有体に言うならば、5.3kg増えていた。


 我が家の体重計さんは余計な事に、身長を入力しておくと、体脂肪率やBMI指数まで一気に計算してくださる。

 本当に余計なお世話です。


 わたしは、ひょえっと声を出して叫んでしまった。

 弟が後ろから「おいデブ、邪魔なんだよ、そこどけよ」と私を罵倒する。

 だ、だだだ、だれがでぶですって!



 いやいや、ちょっと増えちゃっただけですし? とわたしは現実から盛大に目を逸らして、明日から始まる新学期の準備をする。


 そう、明日から新学期が始まってしまう。

 彼氏と否が応でも会ってしまう。


 しかし時すでに遅し、1日でダイエットなんぞ出来るわけがない。


 わたしは諦めて、東京から持って帰ってきたプラリネショコラを一つ口に運んだ。




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